またまた院長の古森です。
実は書きたいことはたくさんありまして、ただ色々忙しくて・・(けっしてサボっている訳ではないですよ)
先日シリーズで参加してるセミナーに行ってきました。

テーマは「肥満細胞種」
この腫瘍は皮膚にできる事が多く、犬の皮膚腫瘍のうち15%を占めています。
腫瘍ってコリコリして固まりのイメージがあるかと思いますが、肥満細胞種は皮膚病のように赤くなってたり、薄っぺらかったり、ブヨブヨだったり様々なタイプで存在してるので、ほんと見た目だけでは分かりません。
基本的には「デキモノ」ができた場合には、針生検といって細い針で中身を吸って顕微鏡でチェックします。
肥満細胞種は細胞内に顆粒というツブツブがたくさんある場合が多いので割と分かりやすいです。

診断までは問題なくできる事が多いのですが、ここからの治療に悩まされる事が多いです。
肥満細胞種というのは皮膚の腫瘍の中では1番悪い腫瘍とも言われています。さらに腫瘍が大きくなるだけではなく、下痢や食欲が無くなったり吐いたりもします。(最終的にはこれでぐったりしちゃうわんちゃんも多いです)
かといって大きくもならず、元気いっぱいのワンちゃんもいます。
つまり挙動といって、どういう風に進行していくがが分からない腫瘍なのです。
今回のセミナーでは
・発症した場所により注意する事
・リンパ節転移について
・病理グレード分類(要するに腫瘍の悪さ)
・治療戦略
について学ぶことができました。
基本的には外科で大きく取ってしまうのが1番なのですが、特に内科治療について抗がん剤の組み合わせ等非常に勉強になる内容でした。
今、肥満細胞種の治療をしてる患者さん、この先肥満細胞種が見つかるかもしれない患者さん。
今よりももっと良い治療の提案ができるように頑張っていきたいと思います。
皮膚にしこりができたら早めに検査をオススメします。なんでもなかったら安心ですしね。