今回は16才と超高齢のワンちゃんです。
飼い主様も口の事は気になっていましたし、比較的元気なワンちゃんだったので頑張って歯科治療をする事にしました。
高齢なので術前・術後のケアや、局所麻酔も用いて麻酔には充分注意して行いました。
まずはお口チェック
全体的に歯石がついています。特に上顎第4前臼歯にびっしり歯石がついていました。
下の歯は一見大丈夫そうに見えます。
続いて歯科レントゲンを見ていきましょう。
上顎第4前臼歯は歯根が3つあり遠心根と言って奥の歯根の周りの骨が歯周病により溶けていました。(黒く抜けている所です。)
下顎の第1後臼歯は2根歯ですが、奥の遠心根が同様に骨が溶けていました。
外見上は分からなかったし、グラつきもなかったけど、歯科レントゲンでは異常を見つける事ができます。
さらにこの子は吸収病巣といって歯の先端(歯冠と言います)が溶けていました。
歯の形がよく分からなくなっています。
このような病態はネコちゃんで多く見られ、ワンちゃんではダックスで多い気がします。
人間で言うところの歯がしみたりすると言われています。
先程の吸収病巣は計4本あり歯冠切除を行い、大きな歯に対しては機械を使って分割抜歯と歯肉粘膜フラップを行いました。
高齢動物では麻酔のリスクももちろんありますが、歯周病と心臓・腎臓病との関連も言われてますし、何より
これから痛みなくご飯を食べれる!
口臭も無くなる!
快適なシニアライフが送れるのはとても素晴らしい事だと思います。
お口チェックはいつでも行っていますよ。
ぜひご相談ください。